「艶やかな歴史に見る長崎の芸能と音曲」
2017年11月3日に長崎市立図書館で行われた講演会です。
私はこの日をとても楽しみにしてました。
久しぶりに生の越中先生に会えるからです。
越中哲也先生とは・・・
長崎市出身の郷土史家で長崎学の第一人者で
2017年で96歳になられる長崎県内ではとても有名な大先生です。
長崎県内では夏の風物詩『精霊流し』の名解説で知られています。
ちなみに精霊流しとは長崎県内各地でお盆に行われる死者の魂を弔う行事です。
有名なのは長崎市の精霊流しですね。お祭りといってもいいくらい賑やかな行事です。
長崎ではテレビ中継もされます。
越中先生はテレビで流される長崎市の精霊流しの解説に必ず呼ばれているのですが、
必ず「来年は私が乗っているでしょうね~」というセリフを言われます。
横にいる女性アナウンサーは「来年もまた解説してください」など
困った様子で返すというのがお決まりのパターンです。
この名調子を見たくて精霊流し中継を見ていると言ってもいいくらい
面白い先生です。
講演会の様子
今回の講演会は「長崎の音曲と芸能」という内容でした。
越中先生が参考文献を示しながら
インタビュアーに突っ込まれながら芸能について話すという形で進みます。
会の始めから越中節が披露されます。
インタビュアーの長崎市都市経営室の原田宏子さんが
「越中先生が今日のお客さんはみんな知り合いやけんって言ってましたが
今日初めて来られた方、手を挙げてもらっていいですか~」と質問。
~会場のお客さん半分以上が手を挙げる~
原田さん「ほら~越中先生、初めての人もたくさんいますよ~(笑)」
越中先生「よう(よく)目の見えんけんね」
原田さん「も~(笑)」
~会場爆笑~
この気の抜けた感じ。
インタビュアーの原田さんとの掛け合いがおもしろいんですよね。
越中先生の気の抜けたボケと原田さんのかわいいツッコミが
会場を沸かせていました。
画像は長崎市立図書館facebookより
講演会の内容をまとまりなく
・音曲の外国語
Xamixen 三味線 Vila 琵琶 (日ポ辞書)
・寛永6年女歌舞伎の禁止
・寛永11年出島構築の開始
長崎くんち奉納踊開始 早水家(能太夫)稽古場を八幡町に設立・能面衣装を造る
・浄瑠璃
・尺八と松寿軒-古町、中島川沿い記念碑
・明清楽と長崎
小唄の披露 春雨・丸山小唄・月琴の演奏(小唄・月琴の伝承をしている女性2人による)
九連環の流行
・七絃琴
・四ッ竹
・オランダ楽器(長崎名勝図絵)
ホルトピアノ(琴の種類)シーボルトが山口へ売った?
・チュウチュウ節の流行(ぶらぶら節)
・おくんちの奉納踊りと長崎文化
コッコデショ(堺から)、サツマ踊り、棒踊(宮崎から)、鯨引(伊万里から)
川船(柳川から)、ゴザ船(細川藩・熊本?)
・其の他
シャギリ(歌舞伎)、竹ン芸(中国から)現在は長崎市中尾地区の人が来て演奏
傘鉾・・・博多商人が長崎に伝えたか。今博多町(長崎市にある町名)
長崎学と越中先生
長崎県民にとっては昔から親しみのある越中先生です。
今回参加してみて96歳でもしっかりと話されていてうれしかったです。
県民から愛されるそのキャラクターは健在でした。
私は全く詳しくないのですが、長崎学を引っ張ってきた大きな存在だと思います。
長崎学の精神的支柱ではないでしょうか。
私のわがままですが、まだまだ頑張って長崎学を支えて欲しいと思ってます。
終わり